大量に茹でた枝豆とトウモロコシは
台所の冷蔵庫では、大玉の西瓜が出番を待ち侘びている。
ようやく涼しくなってきた風が軒先の風鈴を鳴らせば、浴衣に着替えた面々が続々と集まってきた。
「やあ、お招きありがとう」
売れ残りの花火を手土産にやって来たご近所さんに、キンキンに冷えた缶ビールを渡し。
「いやー、まさに『夕涼み』って感じですねー」
呼んでもいないのにちゃっかりやってきた不動産屋には、後で西瓜を切る大役を任せることにして。
「さあ、始めましょうか」
今時なかなか味わえない『日本の夏』を、心ゆくまで楽しもう。